音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

久しぶりにバイオリン始めました。ネットで買ったり、いじったり楽しくやっていきます。

バイオリンケースいろいろ

バイオリンケースって結構大事。

 

所有感に影響を与えます。私がバイオリンを始めた数十年前は、でっかい四角のケースがエラかった時期でした。その影響か私も現在壱号器は四角いオブロングと呼ばれるタイプのものを使っています。

 

でも最近は小型のカーボンファイバー製がお洒落みたい。アンサンブルに教えに来る先生もだいたいこのタイプ。本当にコンパクトで軽そうです。またカーボンファイバーって丈夫そうに思えます。F1とかで車クラッシュしてもボデー壊れないですもんね。カーボンファイバー安いものだと1万円くらいからあります。

 

これより安いものはカーボンっぽい塗装をしたプラの可能性があるから要注意です。もちろんグラスファイバーなどでも十分強度はあると思いますが、その分重くはなります。

 

楽器ケースに大事なのはまずは強度であることは間違いないと思います。でもそれだけでもなさそうです。

 

よく言われるのは、楽器ケースそのものが湿度などから楽器を守る役割を果たせるかということ。

 

ほぼ100%木でできているバイオリンは当然ながら湿度に対して敏感です。楽器の鳴りは木材に残留する湿度に影響を受けるのでできれば、湿度は低いに越したことはありません。

 

木材に含まれる水分とバイオリンの性能関係についてはこちらをお読みください。

オールドの音って? 試奏の旅 第2弾 1700年代のバイオリン弾いてみた - 音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

 

でもあまりに湿度が低いと今度は表板が割れたりする可能性も出てきます。

 

そう考えると極端に湿度の高い夏と乾燥する冬を繰り返す日本の気候って楽器にとっては最悪ですね。高級楽器を音楽家に貸し出している財団などでは、アジア地域への演奏旅行を禁じているところもあると聞きます。また海外から日本に入国した演奏家の名演を支えているのは、そうした環境でもしっかり音を出せるようにメインテナンス出来る腕のある職人さん達のおかげでもあります。

 

どうしても湿度の高い日本で楽器を鳴らすには、楽器にかかるテンションなどが強いセッティングが必要なようで、魂柱な駒などを上手く調整されているようです。こうしたところにも匠の技ってあるんですね。

 

楽器ケースに話を戻すと、木のケースは湿度の変化をバイオリンに代わって受けてとめてくれる点は見逃せません。

 

空気中の水分は、木材の量に対して同じだけ吸い取られていきますから、大体400グラムのバイオリンに対して2KG程度のケースに使われている木材は5倍程度の水分をバイオリンの代わりに吸い取ってくれます。

 

この効果は結構大きいようで、私の壱号器は15年ほど全く弾かずに倉庫に入っていた時期があったんですが、久しぶりに取り出しても全く何のメンテもせずに弾きだせるコンディションでした。

 

もちろん、カーボンのケースに湿度計をつけて、水分コントロールをしっかりやるのが本来かもしれませんが、私にとっては木のケースはとても安心できる存在です。

 

さて、、、、

私の壱号器のケースはアルファという少し前に廃業してしまった日本のケース屋さんのものです。もう新しいものを買おうと思っても、わずかに残る滞留在庫が楽器屋さんに残るのみです。

 

アンサンブルなどでバスの移動が増えオブロングのケースが結構傷んできたので、担げるタイプのものを探したのですが、もう見つかりませんでした。

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安心のケース

 

日本に残る銘品が消えてしまうのは本当に残念です。

 

我慢強くオークションで探そうと思っています。