メインボウの入院
さて、前回ご報告したメインボウのミランのネック折れについてですが、下の写真のような感じです。
このところコンチェルトの練習とか、ベートベンジャンボリーの練習で結構弾いていたのは事実ですが、所詮アマチュアの域を出ない使用負荷にすぎず正直驚いております。
また緩め忘れとか、間違えて締めすぎたのが原因かと思いましたが、私が気がつく限り緩め忘れもないですし、ミランの弓はそもそも腰が強く締めすぎになることもあまり考えられません。
なので、本当になぜ壊れたのか不思議でしょうがないのですが、事実は事実として受け止めるしかないようです。
先週末弓を買った工房に駆け込み修理をしていただくことになりました。
楽器屋さん曰く、ミランをいっぱい売っているけど初めてのケースだそうです。
修理の方法としては、下のヴィルトゥオーゾさんのHPにあるようなやり方で、ヘッドにウルトラマンの鶏冠のような楔を埋め込むタイプの一般的な方法になるようです。
修理・調整メニュー紹介 バイオリン販売の楽器店は名古屋・京都の株式会社ヴィルトゥオーゾ
いずれにせよ完全に元に戻ることはなく、次は壊れないかもしれないし、すぐ壊れるかもしれないという感じでかつ、今度再発したらもう修理不可能と宣言されました。
また、修理費用も安い弓が軽く買えそうな値段なので、通常はやらないのですが、ミランくらいの値段だとやっても良いかという具合のようです。
本当にガーンって頭を殴られたようなショックですが、完治を祈るのみです。
エポキシの接着材で壊れたヘッドを固めるので、修理には約一月以上かかるらしく、まずその仕上がりを待つこととなりました。
さて、、、、
練習は続けなければいけないので、当面サブのフランクヴァンサンがメインボウに昇格です。
フランクヴァンサンは、腰も少し弱く操作性はミランには一歩劣りますが、綺麗に響くいい弓で、ミランと格としてもほぼ同じクラスの弓です。
実際にコンチェルトの練習して見たら、カデンツァでスピッカートのアルペジオなどは、和音が綺麗になる分むしろ弾きやすい程でした。反面、早いパッセージなどの操作性は明らかにミランからはやはり劣ります。
やはり中級クラスの弓一本では全ては賄えないみたいです。
でも、本当にネットのオークションで手に入れておいてよかったー。もし手許にヴァンサンの弓なかったら本当にどうなったんだろうって思うと、背筋が凍ります。
ミランがこの状況だと、やはりメインボウについては買い増しも検討が必要そうです。ミランもう一本買えたら良いなーと、勝手に考えてしまっている自分が怖い。
またオケを今後真面目に弾くのであれば、レベルのいいカーボンの弓を一本持っておいた方が良いのではと真剣に考えるようになりました。
オーケストラは、結構な数の音符を譜面を見ながら一気に弾いていていくという面では、曲を覚えるくらい繰り返し練習するソロ曲と違う演奏の厳しさ激しさを今回実感しました。
知らず知らずのうちにミランの弓にはそれなりに負荷がかかっていたのかもしれません。オケではソロほど細かな弓の飛ばしとか滑らかさとかは求められない反面、耐久性厳しいので、操作性が良いカーボンがあればむしろ安心なのかとも感じました。
実際、ベートベンジャンボリーでは、カーボンで上手に弾かれている方もいらっしゃいました。
評判の良さそうなコーダボウのGXとか一本持てたら本当にいいなあ、、、、、
今後の課題として、一旦収まっていた弓選びの悩みが復活しそうです。
先立つ物は全くありませんが、物欲だけが頭をもたげます。
やれやれ。
ベートーベンジャンボリーの成功と、その代償、、、、
ベートーベンジャンボリー大盛況に終わりました。
本当に参加させていただいてよかったです。
私はロマンスと7番の交響曲載せていただいたんですが、楽しい経験でした。
まずロマンスはソロをやられた吉江美桜の演奏が素晴らしく、間近で聴かせていただいてよかったです。彼女は桐朋を主席で卒業されたそうなのですが、やはり演奏の正確さが常人の理解の範囲を超えておりました。私が今習っている先生も元ソリストで、演奏の正確さにいつも驚くのですが、同じ舞台で聴く正確無比な演奏は本当に驚くばかりでした。
さらに、通称ベト7では、吉江さんがフォアシュピ―ラーに入られ、コンマスをやられたシアターオーケストラトーキョーの浜野孝史さんとお二人がファーストの最前列に入られたのですが、そうなるともう敵なしでした。本当にまったく音楽が揺らぎません。
指揮者の曽我先生が、ベト7の3,4楽章で相当煽られたので、結構タガを外して弾いてしまいましたが、それでも演奏がまとまっていたのは、本当に最前列のお二人のおかげ。オケとかのグループ演奏でトップ奏者の力が大事なことを思い知らされました。
また、決まってから本番まで1月以内、練習は前日だけの、一発勝負演奏だったんですが、ご参加されている方皆さん大変お上手で、オケで引くのは数十年ぶりの私は本当に恐縮しきりな感じでした。普段やっているソロ中心の弾き方とは、やはり全く違います。
今回は曽我先生をはじめ何人かの指揮者が振られるフォーマットだったのですが、エンターテイナーの曽我先生に引っ張られて大変楽しいイベントになりました。
添付の写真は、写真家の金子 龍玄先生が取られた当日のものの転載ですが、私が演奏しているものもあって素晴らしい写真を撮っていただき本当に感謝です。
是非、機会があったらまたご一緒させていただきたいです。
さて、、、、
演奏会は大成功だったんですが、個人的には大悲劇が起きてしまいました、、、、
ミランの弓が折れました。はいポッキリと。正直、ショックです。
折れたのはゲネプロの前に弓に松脂をつけようとした時だったんですが、ピシって音がしてヘッドの部分がばっさり裂けました。最初は、当日朝練習した時に、緩め忘れて、それで締めて操作ミスで壊したのかと思いましたが、ミランはそもそも腰が強い弓で簡単には締めすぎたりは出来ません。
なぜ壊れたのかいまだに不明です。腰の強い弓の宿命かもしれません。
ネット見ると直せそうな感じもあるので、今週末楽器屋さんに駆け込みます。
さてさて、本番です。 ベートーベンジャンボリー
前回の書き込みで書いた、曽我大介先生とのコンサート近づいてまいりました。
ぜひ会場においでいただければと思いますが、もしご来場いただけなくてもチャリティーにご参加いただければ幸いです。
beethovenjamboree2020.blogspot.com
バイオリンケースいろいろ2 探していたアルファのケースでベートーベンジャンボリー参戦です。
バイオリンケースについては、前に少し書き込みましたが、私のバイオリンケースは結構昔のいかついタイプのもの。
バイオリンケースいろいろ1
バイオリンケースいろいろ - 音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)
木製の重いタイプで楽器の湿度とかの変化へのプロテクトとしては最高です。すでに廃業されたアルファという日本の匠の技のケースで、使っていて満足感もすごくあります。
でもその重厚感があだになることもあり、背負えるタイプでもないので電車で行く練習とかには結構難儀です。ついにはストラップをケースに取り付ける部分が裂けてきてしまいました。
練習に行くときとかは軽いケースも欲しいと思ったのですが、ネットで売っているケースはいいものはすごく高く、安いものは強度に不安そうでなかなか変えずにいました。
できれば愛着のあるアルファの程度の良いケースにうまく出会えないだろうか、と思っていたところ、偶然オークションにて見つけることができました。
ちょっと派手目の外観ですが、状態もよさそうだったので即決価格で落札させていただきました。
落札翌々日には家に届けられ、さっそく楽器を入れてみたところ、軽さにびっくり。また室内での保管用に使われていたとのことで、使用感の少なく、新品感覚で練習とかに持って行けそうです。
さて、、、
ケース選びのポイントとしては楽譜をどうするかということは大事かと思います。
これまでいつも箱型のオブロングのケースを持ち歩いていた理由としては、楽譜がA4のことが多く、箱型だと横のポケットに入るっていうことがあります。今回手に入れたケースだと当然楽譜は別のカバンに入れていく必要があります。
でも、曽我大介先生との演奏会は、練習1日ゲネプロ本番一発勝負なので、目が悪くなってしまった人間にはちょっとA4の楽譜はつらいこともあり、今回はB4拡大コピーで本番に臨むつもりです。
そうなると、そもそもオブロングのケースには楽譜入んないので、小型のケースの方が楽になりますね。
まあ、いずれにせよ物欲が少し満たされて、またひとつ演奏会が楽しいになりました。
曽我大介先生のベートーベンジャンボリー2020、12月12日土曜日午後2時開演で武蔵野市民文化会館大ホールにて開催です。
モルドバの焼失したホールのチャリティーコンサートとなっており、ご賛同いただけると幸いです。
COVIDのおりご入場500名限定となっており、事前の登録が必要です。もしおいでになられる方は下のリンクからご登録の上、ご来場くださいませ。
偉大な高校の後輩 指揮者 曽我大介
私の出身高校は、お化け屋敷のような高校で、色々な天才の集まりでした。
優秀すぎて新聞に載る人なんてザラにいて、凡人の私としては、いやになっちゃうことしきりでした。
なので音高でもないのに2年先輩と、3年後輩にプロの指揮者が二人もいます。なんとお二人とも小澤征爾さんを輩出された桐朋の指揮科。すごすぎて想像を超えます。
そのうちの一人、偉大な後輩が指揮者の曽我大介先生です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ブサンソンとコンドラシンの指揮者コンクール優勝者で、現在は東京ニューシティー管弦楽団の正指揮者をやっておられます。攻めた曲目選択や演奏には評価も高いですね。
桐朋で学ばれた後、ルーマニアの大学やウィーンで研鑽を積まれたみたいなんですが、世界に飛び出して腕を磨く姿は本当に素晴らしいですね。
以下はあるインタビューからの抜粋なのですが、なんと8ヶ国語操られるそうです。(http://www.shinkyo.com/concert/p208-4.html)
―ちなみに先生ご自身は何ヶ国語お話になるのですか?
曽我 普通に話せるのは日本語以外に、ルーマニア語、英語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語です。仕事や日常会話でフランス語、ロシア語も使っていますので、合計8ヶ国語は話せます。
ほんと1ヶ国語くらい分けて欲しい。
さて、、、
先生とはずっと前からSNSでは繋がらせていただいていたんですが、今度演奏会でご指導いただけることになりました。
少し前にモルドバの国立劇場が火事で全焼してしまったんですが、それに対すしてチャリティー公演を先生がおやりになることになり、無理言ってのっけていただくことになりました。
曽我 大介 - 皆様にお願いとご相談(シェアも歓迎します)。... | Facebook
なんと前日練習、当日ゲネプロ、一発本番のプロみたいなスケジュール。
ベートーベンの7番、はるか昔にやったことあるから大丈夫かねー。
どーなることやら。
先生、よろしくお願いいたします。
覚悟を決めての演奏 ウィーンフィル
少し前にウィーンフィルの演奏会行って参りました。
当初半数のチケット発売してソーシャルディスタンスでの販売だったのが、直前に残りの席も販売されて、サントリーホール2000席以上全て埋まっての演奏でした。
演奏会の実施に当たっては、オーストリア大統領から総理大臣への親書があったとか色々噂されておりますが、私は演奏会を行ったことはよくも悪くも意味があったことだと思っています。
後半の演奏の前に下のようなメッセージが、団員の方からされて演奏が始まりました。
”このコンサートの実現に向けたサントリーホール、両国政府、大使館などの努力に感謝する。世界中に演奏の場を奪われている演奏かが多くいる中で、演奏をできることの楽しみを噛み締めたい。指揮者のゲルギエフはこの悲愴の演奏を困難に直面するすべての人に捧げる。会場の皆様も演奏後、拍手ではなくまず黙祷を持って思いを共有したい。”
その団員の思いも込められた演奏は、もしかしたら人生で聞いた演奏会の中で一番ではないかと思えるほどの名演でした。ウィーンフィルの定番曲の演奏は鉄板ではありますが、さらに集中力が乗った高い演奏だった思います。ゲルギエフの一挙手一投足にオケが凄まじい反応する見事な一体感でした。
悲愴4楽章の終わった後の会場の張り詰めた空気は本当に名演だっとことを物語っていたと思います。
演奏会自体には今でも賛否あるんだろーなと思います。
確かにコンサートやライブは三密だから自粛すべきなのかもしれません。でも通勤の山手線、地下鉄(特にホームオフィス対応が不十分な霞ヶ関近辺)はコロナ前と対して代わりのない蜜状態がずっと続いていています。サントリーホールの中はそうしたものに比べると密な感じは全くしませんでした。
私は、この演奏に立ち会えて本当によかったと思います。
芸術や演奏といったものは本当に大事なもので、自分の生死に関わらず大切にしなければいけないと本当に考えさせられましたし、非常に大きな勇気をもらえました。
さて、、、
演奏自体をもう少し振り返ると、ウィーンフィルもやはり演奏する曲目や指揮者によって本当に豹変するんだなーと感じました。
ウィーンフィルもって書いたのは、 他のプロオケでそうした経験があるからで、私の場合は、はるか昔のウィーンのムジークフェラインザールでの地元プロオケの演奏でした。前半のフランス曲と後半のブルックナーの出来が段違いすぎてのけぞったことがあります。フランスの曲は、本当に初見大会みたいなおっかなびっくりな演奏だったんで素人目にも驚いたのですが、後半のブルックナーはさすがと唸らせるものでした。
昔からよく、ウィーンフィルも下手な指揮者とで本当に下手な演奏をするとよく聞きます
今回ロシア出身のゲルギエフはロシアレパートリー中心で来日してます。これは結構な冒険のようなメニュー。
さすがにウィーンフィルですから演奏レベルと完全に近いものですが、それでも前半のプロコフィエフは少し大人しさを感じさせた演奏でした。完成度の高い整った上品な演奏で、ウィーンフィルもなんでもこなすオケになったんだと感心しました。。
でもふと思うと、ニューヨークやシカゴのオケなどと比べるとどうしても迫力にかける部分がどうしてもあり、現代曲はアメリカかロンドンのオケかなーってちょっと思っちゃいました。
まあこの晩の悲愴に関しては、すでに書いたように宇宙一でしたので、どうしても差がついちゃった感はあります。
ピアニストのマツェーフは調子がよかったみたいでアンコールで弾いた禿山のピアノ版が本当に凄まじかったです。
本割のコンチェルトの方はいとも簡単に弾ききってしまいましたが、上手すぎて逆にちょっと落ち着いた感じでした。
この人でも将来のヴィルトーゾなんだろうなこの人。なんでもさらと弾きこなしそう。
プロコは辻井伸行さんで是非とも一度聞いてみたいですね。
もしかしたらマツェーエフと辻井さんいい時代のライバルになるかもですね。二人とも本当にこれからがさらに楽しみ。巨匠になって行かれるんでしょう。
色々考えても本当に歴史的な一夜でした。関係者の皆さんに本当に感謝いたします。
レッスンを再び始めよう
実は、少し前からまたバイオリンの個人レッスンに通い出してます。
少し前の書き込みで、バイオリンどうやったらうまくなるだろうなんて書きましたが、やっぱりもう自分一人でうまくなろうとしても限界みたいです。
バイオリンの理想的な上達方法を考えてみよう
https://kamisamacool.hatenablog.com/entry/2020/03/19/083141
昔習っていた師匠はもうお亡くなりになられているし、あの師匠と同じレベルで教えてくれる方と出会うのは本当に大変そうなんでしたが、色々探して新しい先生と巡り会えました。
前の先生とはフリマリーの音階教本やって、それをベースにバッハのコンチェルトとか無伴奏とか、ヴィタリのシャコンヌとか、ヴィニアフスキーのレゲンデとかメンコンやってましたが、今度の先生とは色々お話ししてカールフレッシュをベースにまずメンコンを再度やることにしました。
レッスンに行って驚いたのは、メソッドの進化、特に音程の取り方に対する正確性の向上かなと思っています。
フリマリーの時はポジションごとに左の肘と指の位置を覚えて行ってまず、ポジション毎での弦毎の指の位置とかを定めると音程がおのずと決まっていくという感じだったんですが、カールフレッシュは弦毎にポジションを移動するスケーリングが多く、耳でしっかり聞きながら音程が定まるように音感をつけていく感じです。
なのでひじと親指の位置をきめたら、あとはよく言えばオートマチック悪く言えば運任せの音程どりだったんですが、今はしっかり耳で音を取るように鍛えられてきました。
コロナの間で練習も色々工夫はありますが、在宅勤務などでむしろ時間には自由がきくぶんだけ打ち込んでやっております。
メンコンも昔は単に弾けていただけなんだなということを実感。指とかは覚えているぶんだけ弾きやすいんですが、やはり正確に弾くのって本当に難しいです。進まないときは本当に進みませんが、その分しっかり弾けるようになって楽しいですね。
カールフレッシュはハイフェッツが毎日40分で練習していたという逸話が残っているそうですが、本当に信じられません。神業ですね。