音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

久しぶりにバイオリン始めました。ネットで買ったり、いじったり楽しくやっていきます。

あなどれないグラスファイバー弓  Gの刻印かっこいい グラッサー

前の書き込みで、俗にカーボン弓と呼ばれるものには実は3種類のものがあるって話をしました。その中で今回は一番お求めやすいところにあるグラスファイバーの弓からまず話をはじめたいと思います。

 

グラスファイバーって何かから話を始めると、ガラスの繊維をプラスチックに混ぜて強度を上げたものです。釣り竿とかのスポーツ用品によく使われてます。面白いとことでは東京ドームの天井もグラスファイバーです。

なので分かりやすい特徴としては、軽くて引っ張ったりしたときの強度もあるけど、逆に柔軟性もある素材って言っていいかと思います。釣り番組で大物をヒットしてぐにゃって曲がるけど、腰があり折れないあの竿の感じです。

この特徴が、グラスファイバー弓にもそのまま引き継がれています。グラスファイバー弓は一言で言うと軽く、しなやかな弓です。

また1930年代から使われている古い技術でお値段もこなれた素材でもあります。

 

私の持っているグラスファイバー弓は、エレキバイオリンを買った10年ほど昔に、合わせて手に入れたものです。エレキバイオリンに杉藤の弓じゃちょっとカッコ悪いですもんね。たしか高いカーボン弓にするかどうか悩んでお求めやすいこちらを選んだ記憶があります。それでも結構な値段しました。

弓自体の外観は下の写真にある通り非常にシンプルな外観です。またラッピングも合成樹脂の安っぽい感じで、これはこれでエレキバイオリンに合わせるにはポップな感じでグッドです。

 

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実はこの弓がどのメーカーのものかよく分からずネットで調べまくったことがあります。最後にある演奏家としても活躍され先生されている方のブログ行き当たりました。非常に偶然なのですが、私と同じエレキバイオリンとこの弓を、同じ時期に同じ楽器店で入手されていたようです。

メーカーはグラッサーというNYにある楽器屋さんで、グラスファイバー弓を発明されたところらしいです。現在はカーボンの弓も作っているようですが、グラスファイバーの弓には結構なこだわりがありそう。本当にいろいろな弓を出されてます。色がついているやつとか、毛替えできないやつとか本当に様々。

その中でこの弓は楽器を学ぶ学生を対象にした製品の様で、シンプルな外見に、合成樹脂のフィッテイングという非常に実用的でアメリカの価値観が現れた製品だと思います。

弾いた感じは、非常にソフトな弓なんですが、ソフトなことによるデメリットをほとんど感じさせません。早いパッセージでもちゃんと引っ掛ってしっかり弾けますし、また大きな音もちゃんと出せます。そのあたりは、天然の木材である意味出来たとこ勝負の木の弓より、狙って性能を設計できる合成材のメリットなのかもしれません。

また、重量は台所のはかりで測ると59g弱、私の持っているミランとヴァンサンがだいたい63gくらいなので、軽い感じです。

ただここには裏があって、63gのミランの方が実際は取り回しはよく、この弓は59gと軽くすることで高い弓と同じような取り回しを実現していると言った方がよいと思います。逆にミランって結構重いのに取り回しがよくすごい弓って再度感心しました。やっぱりいい弓。

 

でも、この弓も本当に侮れません。外見とは裏腹に正確に演奏することができる優れた弓だと思います。

 

先ほど触れましたブログの作者の方も、結構この弓をお気にいられたようで、普段はガリアーノの楽器をペカットとサルトリとトマショーっていう”なんじゃいそれ”っていう高級弓を合わせておられるらしいのですが、この弓フレンチぽいのだそうでガリアーノも弾いたりされてるみたいです。ガリアーノっていえば、去年楽器屋の転売詐欺で話題になった2000万円ほどの1700年代のオールドの楽器ですね。

 

https://blog.goo.ne.jp/kaho31415/e/d59b15992bceeff135a359adcc8aa675?fm=entry_awp

 

この方の、インプレッションは非常に的確で素晴らしいです。私が感じても書けないことをすごく正確に文章にしていらっしゃいます。また、サルトリとかペカットとか弾かれているのに、値段数十分の一のこの弓をしっかり評価されているのは本当に凄い。プロの方の感性には恐れ入ります。

 

グラッサーの情報は本当に少なく、ネットで調べまくって弓のことが少しよく分かるようになった気がしました。また、いろいろ調べてこの弓のことが分かって再度眺めてみると、フロッグについている”G”のマークの刻印がなんとなく格好よく見えてくる気もします。不思議なものです。

 

代理店も日本にはなく、なぜ当時ヤマハのお店におかれていたか不思議です。現在もネットですら日本でこの弓を見つけるのは難しいです。

 

一方、本国アメリカでは、バイオリン始めるときはグラッサーっていうくらい有名らしく、特に100ドル以下の初心者ラインは教育向けの弓として立場が確立されているようです。英語ですが以下のリンクの掲示板は大変面白いです。

 

https://maestronet.com/forum/index.php?/topic/22770-ok-so-the-winner-is-the-glasser-carb-fiber-but-isnt-the-coda-supposed-to-be-best/&tab=comments#comment-22770

 

なのでアメリカから直接買い付けることはできますが、もしヤフオクかメルカリで安く中古が出ていたらゲットしたいと思っております。

 

皆様も、もしどこかで出会えることがあれば、一度お試しあれ。本当にいい弓です。 

 

以上グラスファイバー弓の話でした。次は本物のカーボンの弓の話もしたいと思います。

和み茶論

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