音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

久しぶりにバイオリン始めました。ネットで買ったり、いじったり楽しくやっていきます。

バイオリンの理想的な上達方法を考えてみよう

今日はバイオリンのどうやったら上手くなるのかって言う、全く結論がでなさそうな話をしてみたいと思います。

 

管理人は、少し前の履歴書でも書いたよう高校オケデビューのバイオリン弾きです。

https://kamisamacool.hatenablog.com/entry/2019/10/09/105121

 

バイオリンを始めたばかりの時は先輩に手取り足取り教えられるんですが、教えてくた先輩も一年前は初心者の先輩。ちょっと前の初心者が、初心者を教えるなんて言う今考えると結構いい加減なコーチングです。

 

そもそも学生オケでの練習なんて、繰り返し同じ曲を半年練習してなんとか本番でそこそこ難しい曲を弾けるようにすると言うのが基本で、基礎なんてそっちのけでした。それでも交響曲は弾けるようになっちゃいます。要は反復練習。

 

こういった練習のやり方で何が問題になるかって言うと、それはやっぱりいつまでたっても音程がずれる、特に速い曲で音程が破綻することだと思います。

 

ちゃんと音を聞いて正しい場所を押さえましょうとか、最初はゆっくり引いてだんだん早く弾けるようにしましょうとか、一見正しそうな教えを元に練習するんですが、いつまでたっても治らない不治の病となってしまいがちです。

 

今となって冷静に考えると基本的なところの学習が欠けていたような気がします。

 

さらに基本的な何が抜けていたかと言うと、弾き方の形がなっていないとか仕組みが出来ていないのかかなーと思います。自己流と言うやつですね。

 

大学に入って先生について最初に教えていただいたのは、音程を司る左手と、音を出す右手をどう合理的、機械的に使うかって言うことでした。

 

バイオリンの原理って弦の正しい位置を押さえて、弓を狙った形で同じように弦に当たるようにこするすることで、正しい音が出るわけで、原理としては非常に簡単かつ単純な動作です。

 

でも、それを複雑な動作でやる、さらにいつもできるようにすることは非常に難しいことでした。

 

なぜなら人間の体の骨格に起因する人間工学と、バイオリンという機械の動きがあっていないからです。

 

例えば右手の動きについて言うと、バイオリンの弓の動きって弓が直線なんで当然まっすぐな動きが基本になります。

しかし、人間の腕の骨は短くかついくつかの関節で繋がれてる関係で、何もしなければ、人間の腕は振り子のように円を描いてしまうわけなんです。マリオネットが手をブラーンブラーンとしているような曲線的な動きです。

この円運動をする腕を使って、線路の上の電車が走るように直線的に動かすことが結構大変で、そのためには関節の動かし方とかが決まってないと弓って綺麗に動きません。

また、人間の腕には複雑な動きができるように複数の関節がありますが、逆にシンプルな直線という動きを作るためにはこれはむしろ不都合で、どの関節をどう動かすかをプログラム化する必要があります。

 

さらに、バイオリンの弦は4本あり、それぞれの弦に対して正しい角度で直線的な弓の動きをさせる必要があります。そのためには、それぞれの弦に対して正しい角度で弓が直線移動するのに必要な右手の肘の高さや、手首の角度が当然あるわけです。

そういった動きができる、またそのための一番効率的な動きは何かを知り、実現する必要があります。

 そのイメージは工場のロボットが、色々な方向にプログラムされて寸分なく綺麗に動くような感じで、4つの弦に対し弓があたかも決められた平面(ボーイングプレーン)の上の線路を走るような軌道を作って行く必要もあります。

 

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どこまで右手をロボットのように動かせるか?

 

音程を司る左手にも同じことが言えて、四つの指が正しい音程で弾けるためには、ポジションに合わせて左手の手首の位置を正しいところに置く必要があります。

そうしないと、人差し指では正しい音を押さえられても、次に小指で別の音符の音程を取ろうと思ったら指が届かないとか、どこ押さえていいかわかんないなんてことになるわけです。

でも左手首を正しい場所に置くためには、その前提として、より土台である体に近いところにある左手肘を正しい位置に持って行かないと出来ません。人間の腕は伸びたり縮んだりは出来ないので。

また、同じドレミファを弾くにも高いポジションと、低いポジションでは指の間隔は当然違うので、その違いも出てきますから、それも考えて手首の位置がどうするかが重要になるかと思います。

 

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左手の肘の位置と、手首の位置を自動的に合わせたい

 

 

こうした指や手や腕の動かし方は、プログラムされたように譜面に合わせて動かされるように標準化した動きになる必要があります。

 

そのための体の動かし方を作り上げるのは、もうとてもじゃないですが、プロの先生にしか教えてもらうことはできないってことかと思います。

 

よく、エチュードとかスケールの練習をしっかりやれば上手くなるなんて言いますが、そんなのが自分一人でできるのは限られた天才だけだと思います。

エチュードをやることで確かに音程が改善することは間違いないですが、何も知らずにやると音程が間違ったまま繰り返してしまうことがあります。

何の目的でそのエチュードをやっているのか、どんな左手の動かし方を今習得しようとしているのかを理解せずにやっても、結局そのエチュードの音程しか改善しないなんてことにもなりかねません。なので、何のためにそのエチュードをやっているかを知るのはすごく重要なことになります。

 

また、エチュードの目的、そのために実現したい必要な体の動きの説明まで、しっかり書いてあるエチュードの本って私の知る限りありません。

 また仮に書いてあったとしても、その動きができているかどうかなんて、初心者には全くわからないと思います。

 

なので、こうした繰り返し動作可能なプログラムされた体の動かし方をインプットしてもらうことは、先生につくこと以外不可能なのではないかと思っています。

 

ですから、上達の近道も、そうした体の動き方をしっかり自分に埋め込んでくれる先生につくことと私は思います。

 

幸いにして、私はその昔に前師匠から一度その動きを教えてもらいましたが、その後のメンテは全くなし。昨年からアンサンブルに復帰して、チャイコフスキーの弦セレとかなんとか弾いてしまってますが、なんか高校の時の二の舞になりそうで怖い自分を感じることがあります。

 

久しぶりにしっかりレッスンにつきたいと思っているところです。