音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

久しぶりにバイオリン始めました。ネットで買ったり、いじったり楽しくやっていきます。

楽しめるクラシック音楽映画3 パリに見いだされたピアニスト

コロナの間に自宅映画館で見つけた素晴らしいクラシック映画のご紹介を。

 

この映画、少し前に書いた「蜜蜂と遠雷」と対極にあるコンクール映画です。

 

ストーリーは、「駅前ピアノ」から世界的ニュースターが生まれるっていう、ベタなハッピーエンドストーリーです。ご都合主義的なストーリーは、前に紹介した「オーケストラ!」に負けず劣らずです。こっちの方がすごいかも。

 

でも単純なハッピーエンド映画にとどまっていないのが、この映画を楽しめるところかなと思います。

 

まず、クラシック音楽界や、音楽大学がすごく格好良く描かれています。パリのコンバとでロケがされているシーンなどは、パリで音楽学ぶってこんな楽しい感じなんだと羨ましくなりました。厳しい教授のレッスンも、トップクラスのレッスンのすごさを垣間見せるものでした。

 

また、今のパリをうまく描いていると思います。フランスが抱える社会階層の問題や、その中でいろいろ悪事に手をそめながらも正直にしっかり生きて行こうとしていく非白人系若者の力強さもそうですし、パリの街の中でのデートシーンがあるのですが、本当に魅力的に撮れていて、パリに40回は行ってる私でもまたパリに行きたくなってしまいました。本当にパリをうまく描いてます。

 

それから、イノベーティブなことやエスプリって何かを深く考えさせる映画でもありました。天才っていうものが何で、才能が世の中をどうやって変えて行くのか、どうすればそれが可能になるのかってことを描くことに正面から取り組んでいて、その妥協のなさには鋭ささえ感じます。突拍子もないアイデアがベースのご都合主義のストーリーなんですが、フランスという国では本当にありえてしまうんではないかって十分思わせるほどで、フランス人のエスプリの精神を強く感じました。

 

フランスという国は、理屈とか合理性をすごく重視しても、結局のところ直感で未来への道筋を作っていくんだなーと。またそういったチャレンジを許容する器の大きさってというかユルさは日本にはないですね。

 

日本版の「パリに見出されてピアニスト」は、元々のフランス語原題の「指先で」っていうものと大きく違います。どちらも私が見て感じたイメージとは少し違いますが、確かに名前をつけるのが難しい映画かもしれません。

 

ラフマニノフの2番の協奏曲が全編に流れる、音楽好きにもしっかり応えられるこの映画は本当におすすめです。

 

最後のシーンが本当によくて、やっぱり色々な街に行きたくなりますね。

 

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天才はこうして見出されるんだ、、、

 

バイオリン練習とウォークマン2 ウォークマンをステレオシステムに1  RDP-NWX500B

ウォークマンで音楽を聴き始めてから、基本イヤホン中心でやってきました。ソニーのXBA-300は素晴らしく解像感のある音を出しますし、飛行機でも新幹線でも聴き放題。結構な満足感です。

 

で、味をしめて考え付いたのは、ハイレゾ音源をそろえてきたので、コンパクトなデジタル環境のシステムで聞きたいということでした。

 

スピーカーの直前までノイズフリーなデジタル環境でシステム作れば、結構いい音を楽しめそうですし、デジタルのアンプは結構大きさも小さいので今のリビングでもなんとかなりそう。

 

必要になるのは

1 ウォークマンとアンプを繋ぐアダプター(WM端子をUSBへ変換するやつ)

2 デジタルアンプ

3 スピーカー

 

の3つになりますが、ウォークマンはWM端子という特別なものを最近まで使っていて、パソコンで普段使っているUSBとかは使えません。なのでその変換をするアダプターがいるのですが、これはソニーから発売されています。

 

あとは、アンプとスピーカーだけなのですが、これが結構な悩みところ。

 

まずデジタルアンプなんですが、普通に選べばTEACのやつとか、SONYの製造中止になったやつとかいくつかあるのですが、値段が結構したりします。安く済ませるのであれば中華系のものに結構面白いものもありますが、コロナとかで結構欠品状態。どうしようか悩みところです。

 

またスピーカーなんですが、まずはステレオの2スピーカーにするのか、またはウーハーを追加し2.1チャンネルのシステムにするかが悩みところです。

スペースが許せば大きなスピーカーでステレオにするのが一番なんですが、できれば今回はシステムは目立たなくしようと思っているのであまり大きなスピーカーは避けたい。

できればブックシェルフと呼ばれる本の大きさくらいのスピーカーにしたいんですが、そうなると低音が足りなくなります。そうなると低音専用のウーハーを追加して、2.1チャンネルにする必要が出てしまいます。

ウーハーっていうとロックとかを考えそうですが、ハイレゾで解像度が上がった音源でクラシックを聞こうとすると、コントラバスとかファゴットの低音の細かな音が結構しっかり聞き取れるので、小型のスピーカーではやっぱり辛そうです。

2.1のシステムは、高温と低音の繋がりが悪いと嫌う人もいるのですが、私は必要な音の機能を必要なハードで分担するのは、合理的な考え方とも思っていて、うまくシステムを組んでみるのもいいのかと思っています。

でも2.1CHのシステムになると今度はそれに対応可能なアンプにする必要があり、選択肢が狭まります。

 

なんて、考えているとなかなかスピーカーとアンプの組み合わせはなかなか決まりません。あ、まーお金に糸目をつけなければ結構簡単なんですねど。

 

そーやって悩んでいるうちに、つなぎとしてちょっと面白いやつをネットで見つけちゃいました。ソニーウォークマン用のスピーカーセットです。とりあえずウォークマンを繋ぐだけで音は出ます。

残念ながらハイレゾにスピーカーは対応してませんが、とりあえずまず家でいい音を聞けるようようにしようかと思って、すでに数年前に製造中止になっている、ハイエンドのスピーカーを中古屋さんを当たって見つけてみました。

 

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これは結構あたりかも

新潟の方の業者さんから1週間ほどでお取り寄せとなりました。2015年頃には製造中止になっている商品で、オークションにもあまり状態の良いのは出ておらず、見つけられてラッキーでした。

 

出力60Wもある2.1チャンネルのシステムで、ウォークマンを直にさせますし、ブルーツースのみならず有線接続も可能の優れものです。ウーハーはなんとスピーカ3つも付いてて、小さなわりには結構強力な低音をだします。

 

ウォークマンで音楽を聞く以外にも大活躍で、例えばコロナで増えているオンラインでのコンサートや、Jリーグの試合などをテレビで見るときにも臨場感のある良い音で楽しめるようになりました。

 

コロナでのオンラインコンサートは、反田恭平さんや、辻井伸行さん、三浦文彰さんなどが熱心にやられていますが、ネットだからと本当に侮れない良い企画だと思います。

 

あのレベルの演奏を家で良い音で楽しめるのは本当に嬉しいです。

 

また、仕事のテレワークも大活躍で、特に英語の会議にPCで接続するとストレスフリーなカンファレンスになります。

 

とりあえずつなぎですが、よいシステムとなりました。

楽しめるクラシック音楽映画2   「蜜蜂と雷鳴」が教えてくれたもの

管理人は結構クラシック音楽映画にもはまっているのは、前の書き込みで書いた通りです。

 

コロナの自粛期間にいろいろ見過ごしていたクラシック音楽映画を見ましたが、面白かった映画の一つとしてあげたいのが蜜蜂と雷鳴。直木賞受賞作の映像化です。

 

この作品は、浜名湖コンクールを模したピアノコンクールの表裏を、しっかり丁寧に描いていく映画で、四人の主人公や周りの登場人物も丁寧にと描かれ、かつ役者さんが大変上手く演じられていて、全く飽きずに最後まで興味をもって見ることができました。音楽の天才が天才であるゆえんは何かという重要な命題や音楽家の苦悩の部分にも上手くスポットを当てていますが、基本的にはコンクールを淡々と見せて行く面白い映画だったと思います。

 

映画の評価が高かったことは、日本アカデミー賞の優秀賞にも結構名前が出ていたのである意味証明されている通りで、疑問の余地はありません。また後で述べますが、この映画で新しいクラシック音楽の聴き方も見つけました。

 

でも、個人の感想として、よい映画だなーと思いつつ、すこし違和感を感じた部分があったことも事実です。

 

それが何なのかーと考えたんですが、この映画、若い音楽家の心の内の葛藤を美しい音楽とともに描いたクラシック音楽のような映画だったからかなとも思ったりしています。

 

この映画の音楽や映像美はファンタジーのように素晴らしいです。でもその美しさの故に、対象オーディエンスがクラシック音楽が既に好きな人になってしまっているように思えました。

 

似たような印象を過去抱いた映画に「マエストロ!」があります。(偶然にもこの映画で重要な役を演じられている松坂桃李さんが主演で出られております。)マエストロ!はクラシックを音楽を正面からとらえたとてもよい映画です。演奏者が音楽に向き合う姿やその社会的背景などが丁寧に映画に描きこまれていて、楽器を演奏するものとして共感できる部分が多くあります。

 

でもマエストロ!を見て私が得た共感は、日本のクラシック的というか、箱庭的だなーと感じたことを覚えてます。それと同じ感想を今回も抱きました。

 

それに比べるとヨーロッパのクラシック音楽映画は、この前紹介したフランス映画のオーケストラ!もそうですが、ハチャメチャなストーリーながらすごく熱を感じさせルものが多いです。

 

私は出張などで海外に行く機会もあるのですが、その時は無理をしてもオペラやオーケストラを聴きに行っています。そこで聞く音楽は、正直演奏レベルが低かったりするものもあるのですが、演奏している人間のエネルギーを感じ、日本とは結構違うなーって思うことが多いです。特に、パリでオペラ座などでのオペラやバレーでは、クラシックというよりむしろニューヨークのミュージカルを見ている様な気分になることすらあります。

 

また昔ボリショイでジゼルを見た時も、観客が熱狂的で、すごく宝塚っぽい。観客自体も若年層も多く、またセレブもドレスアップして多く訪れ、すごく楽しめるイベントになっていましたし、勢いが本当にすごい。

 

そうした演奏会などで感じれられる熱とか勢いが、現在のヨーロッパのクラシック音楽映画にもあるような気がします。もしかすると、現在のヨーロッパのクラシック音楽の根底にあるのかもしれません。

 

それに比べると、日本のコンサートでは、名演奏の後に大きなブラボーの声が上がることはありますが、良く言うと上品な演奏、悪く言うと静かな演奏会が多いように思えます。結果、演奏そのものの記憶は残るものの、演奏会自体の記憶はどうかというと、どちらかというとすぐに忘れてしまいがちな気がします。

 

「蜜蜂と雷鳴」見た後、日本のクラシック音楽映画も、きれいな音楽や美しい映像を、文学的なストーリーを紡いで行く感じが好まれているのかなー。

 

こうした味付けの映画は、おそらく日本のクラシック好きな中高年には受け入れられやすい路線なのかも。

 

それで、綺麗とか美しいというファンタジーのような雰囲気の映画になっていってしまうのかもしれませんね。

 

さて、、、

 

この映画を見終わった後、私自身に本人にとっては意外と言ってもいいほどの大きな変化が起きました。

 

それはこの作品で中心をなす楽曲となっているプロコフィエフバルトークのピアノ協奏曲にはまり始めていることです。

 

プロコフィエフ自体は、パリのオペラ座で見たりしてたくらいなのでそれほど拒否感はまったくないのですが、正直ピアノコンチェルトを聴いたりは全くしていませんでした。

またピアノ協奏曲はどちらかというと好きなジャンルだったんですが、ラフマニノフの2番とモーツァルトの21番などウィーン後期に好みが限定されていました。

それが、この映画を見て以来、結構な頻度でプロコフィエフの2,3番を聴いています。

 

バルトークにいたっては、その昔NYフィルの管弦楽のための協奏曲を聴いた時の違和感から少しトラウマになっていて、ちょっと拒否感が正直ありました。

でも、ピアノコンチェルト3番は、バルトークの違和感であった打楽器感も少な目で聞きやすいことに気が付きました。冒頭の音楽のスケールの大きさというか空気の抜け感は結構気持ちいですし、最終章の盛り上がりも癖になりまそうです。

 

なので、この映画が、新しいジャンルの音楽を教えてくれたと思っています。とかくマンネリになりがちなクラシック音楽生活において、助かります。

 

さらに、この映画の原作がどうしても気になってしまい、外伝短編集も含めてKindleで一気読みしました。

 

原作は、映画とは同じ結末ながら、結構違うストーリーになっていて楽しめました。特にコンクールを細かな書き込みでしっかり描いていくという部分には、映画よりさらにのめり込んでいける深さがありました。

 

映画をもし見られた方は原作も読まれるとよいのではないかと思います。

 

映画が先か、原作が先か?相当昔のキャッチコピーですね。(知っている人は皆ジジイかババアでしょう。)

 

そんなこんなで「蜜蜂と雷鳴」いろいろ学びのあるよい映画でした。もしまだご覧になっていないのであれば、マエストロ! も合わせて是非ご覧あれ。

 

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登場人物の描写がよかった映画でした

 

7本目の弓 第二話  西ドイツ製のトルテの実力は?

(前記事から続く)さて、、、

ネットで落札した弓の毛を張り替えていただいたんですが、これがちょっとトラブルでした。

 

というのも、弓の腰が少し伸びてしまっていたので、その結果最初に張ってもらったものだと、スクリューを緩めても毛が緩み切らないということになっちゃったんです。

 

お店の人には気をつけてお願いしますと言ったんですが、、、、張られた職人の方がまだ経験のない方だったようで失敗してしまった感じでした。でも、すぐ再調整のご対応をいただき助かりました。

 

そもそもこの弓Made in West Germanyって弓に書いてあったので、どんなに新しくても1990年半ば、どんなに古くても1950年の弓のなんですが、おそらく保管状況があまりよくなかったんだと思います。

 

さらに元々は剛弓系の弓のように見えるので、弓の張りにともなうしなりの変化が小さく、張るのも難しい弓だったのかも。

 

オークションでは、弓の腰の強さとか、曲がりとかは書かれていますが、毛がついていない今回のような弓では、”弓のしなり量”が適正かかも注意が必要だと学びました。特に今回はほとんどジャンクのような弓を、楽器屋ではない中古業者から落としましたんで、そもそも売られている側も弓のことが全くわかんなかったんだと思います。

 

こんなところは、ネットで中古を探す際のリスクとして気をつけないと行けないですね。今後の反省ではあります。

 

ということで、再度さて、、、、、

 

数日後、いい塩梅に張られた弓が帰ってきました。早速弾いてみたところ、演奏自体には全く問題ありませんでした。当初狙っていた、引っ掛かりがしっかりしていて反応の良い弓という狙いにあった弓であることがわかりました。安いグレードの鈴木の弓とひき比べたところ、腰のしっかり具合は雲泥の差。これなら練習にはきっちり使えそうです。

 

さすが西ドイツ製のトルテ!

 

また、旧東ドイツ生まれのバース(Barth)のバイオリンと組み合わせもよく満足です。バースのバイオリンは1973年のマルクノイキルヘン近くのバドブランバッハで作られているのですが、おそらくこの弓は、そこから戦災で逃げていた製作家が当時の西ドイツブローベンロイトで作られた弓だと思います。

 

ドイツバイオリンの歴史は、簡単ですが少し前にも記事にしましので、もしご興味があれば下のリンクをご覧ください。

 

ジャーマンバイオリンって 参号器購入プロジェクト 第4話ドイツバイオリンの系譜

https://kamisamacool.hatenablog.com/entry/2020/02/02/010135

 

なので、そもそもバイオリンと弓の相性は良かったのかもしれません。

 

こう言ったことに想いを巡らせると、また夢が広がりますね。バドブランバッハもブローベンロイトもコロナが開けたら是非一度訪れてみたい。

 

このバイオリンセットはよく行く出張先に置きっぱになっているのですが、幸いなことに音色を除けば寸法関係と音量などはジャックマンとの差も少なく練習器としては最適です。本格稼働し始めてから練習が本当に捗ります。

 

また、オークションで手に入れたので、万が一トラブルになっても、まあ安目のお値段で手に入れたので、まだなんとか諦めがつきます。バースなんかこの前ある中古屋さんに40万円で出てましたが、私は余裕で一桁安かったですし、それこそ弓なんて諭吉さん一枚程度。

 

これが、メインのジャックマンだったらそもそも、自分の家から遠くに置くことすら考えれません。

 

そう言った意味で、練習用の楽器はあるといいです。前に、高嶋ちさこさんが、リハにストラドを忘れられたことがあって、それからトランクに5万円のバイオリンを入れっぱなしにしているとテレビでおっしゃってましたが、その気持ちよくわかります。

 

当分このセットお世話になりそうです。

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これからもよろしくの練習器

 

7本目の弓 第一話 ジャーマンの剛弓を探して見る

コロナ自粛の間に、勢い余ってもう一本買ってしまいました。というのも、練習用と思って買ったオールドの弓が思ったより良い弓で、メインの楽器のケースに収まってしまったからです。

 

その結果、本来の使用用途だった出張先に置きっ放しの参号器の練習に使える腰のある弓がもう一方必要になってしまいました。腰のある弓が必要なのは、最近、コンチェルトとか重音の練習をしてるんですが、ある程度腰のある弓をしっかり置いて弓に圧をかけてから弾く練習を集中的にやることになったからです。

 

手持ちの他の弓をみると、

ミランやフランクヴァンサンの弓はさすがに置きっぱにできないですし、、、

グラッサーのグラファイトの弓は気が向いた時にすぐ弐号器のサイレントと引くために部屋のリビングに転がしっぱなしだし、、、

中国製カーボンはむしろ固すぎて、ちょっと練習にはイメージが合わない、、、

 

という感じで結局安いのをネットで見つけて買っちまえって気になりました。

 

また参号器のジャーマンバイオリンを手に入れたことから、ドイツの弓に少し興味が出たということもあります。

 

ドイツの弓は、ごつくて剛弓というイメージもありますが、コスパの良い名弓も多く存在します。

 

ニュルンベルガー、ラウ、クノップ、フレッチナー、バウシュなどはハイフェッツオイストラフと言った名人がセカンドボウ使ったと言われてますから、性能的には十分でしょう。

 

詳しくは、下の霧立さんのブログなどに詳しいですが、価格はフレンチボウの数分の一のようです。

https://www.kiritachiakari.com/why-german-bows-are-such-a-bargain/

 

こういった弓はいつかは手に入れてみたい。でも、今回はサブの参号器の練習用の弓ですから、とにかく安くて古そうなジャーマン弓を探して見ることにしました。かつジャーマンっぽい剛弓に出会得ればむしろ面白いかもしレません。

 

ネットオークションで色々探してみた結果、出会ったのは写真の弓。諭吉さん一枚ちょっとで手に入りました。でも弓は張ってなかったのでその分は追加で出費です。

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トルテだー

 

写真見ると、Torteって書いてある。まじかよって感じですが面白そうな弓です。またラッピングが鯨の毛のイミテーションらしくて見た目は結構良さそうです。

 

さて、、、、

 

届くまで数日。いつものようにワクワクとドキドキです。

 

届いた弓をじっくり見ると、まずスクリューを外すと弓の軸にWest Germanyって書いてありました。なので、1960−90年くらいの弓でした。もうちょっと古めだとよかったんですがまーしょうがないか。

 

それと、弓が少し腰が伸びていて結構使えるかどうかギリギリという感じでした。これは、ネットで中古弓を買う際に気にしている点ではあるんですが、なかなかサイトの画像だけではわからないですね。

 

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これがサイトに出ていた写真

 

というところまでチェックして楽器屋さんに弓の張り上げをお願いしました。

 

どんな音が出るんだろ〜

 

(以下、次回)

 

 

 

 

バイオリン練習とウォークマン3 ハイレゾ音源flacとパブリックドメイン

 演奏会の練習の参考音源をウォークマンで聞いている管理人ですが、ウォークマンで音楽を楽しむ際の一つのポイントはハイレゾ音源をどうやって手に入れるかというポイントがあります。

 

ハイレゾの音は普通のCDの音と何が違うかというと、20KHz以上の周波数の音が再現できることです。

 

一般的にはハイレゾは人間の可聴域の上限の倍音までを再現することで響きがよくなるという説明もなされます。でも私は既にそんな音を聞ける若い耳は持ち合わせていませんので、そんな効果は限定的かとも思えます。

 

しかし、ハイレゾはやはり細かな音のニュアンスやその変化などをうまく伝えられるのではないかと思っています。これは、残響の大きな音よりはダイレクトな音の方が効果が大きそうなのですが、木管楽器の音色や息継ぎ、弦楽器の刻みなどの音が変わるときの再現性、特に変化の立ち上がりの部分の鋭さがハイレゾの方が高いのではないかと、いろいろ音源を聞いて思ってきました。

 

もちろん、再現性が高いというのが即よい音ではないと思います。この辺りは人による好みで、私は自分で楽器をやっているせいか全体として綺麗な音楽よりも、演奏者がどうやってひいているのかが手に取る様にわかる演奏の方が好きで。コンサートとかもできれば前の方で直接音を聞きたいタイプ。ハイレゾにはそんな聞き方には向いている部分もあるようです。

 

さて、、、

 

そうやって、ハイレゾの音源を集めているのですが、最近はネットのダウンロードのサイトでハイレゾ音源対応のものが増えてきているので、最近の演奏を楽しむのはそういった有料サービスを活用するのもよい方法です。

 

でも、ダウンロード楽曲はそれなりにお金がかかります。いろいろな曲を安く楽しみたいとなると、それなりにご予算の問題がどうしても、、、、

 

なので管理人は、パブリックドメインを活用させていただいております。

 

パブリックドメインは、著作権が切れた50年以上前の演奏などをそう呼んでいます。著作権がきれているということで、音源をサイトにアップロードしても、映画館でプロパガンダしているような問題にはなりません。

 

よく使っているのは、ブルースカイレーベルという個人の方が運営されているサイト。ここに行くと大体の曲の音源がハイレゾflacというファイル形式でダウンロードできます。ダウンロードしたファイルを音楽プレーヤーをUSB接続してコピーするだけ。本当に簡単です。

 

まず驚くのは音質のすばらしさ。当然ながら当時はまだアナログの時代。もともとの音源はデジタルではないのですが、優れたアナログのマスター音源をきっちりハイレゾのデジタル音源化されており、音質に基本不満はありません。

 

むしろ、アナログの時代のレコードエンジニアの方の技の凄さに本当に関心してしまいます。

 

50年前の演奏というと、指揮者だとカラヤンの初期、ワルターバーンスタインなど、ピアニストだとルービンシュタインリヒテル、ケンプ、ホロビッツなど、ビルトーゾの最盛期。

 

今の時代の演奏とは少し違う部分もありますが、こういった大家の演奏に不満などありましょうかという感じです。

 

また、この時代の演奏は、管理人がまだ学生でお金がなかった時代に1枚1300円とかで廉価版として出ていた、昔懐かしい演奏です。当時はそれほど高くないステレオセットとレコードプレーヤーで聞いていた記憶がありますが、今は当時の最高級プレーヤーでしか聴けなかった演奏の振れやノイズがない素晴らしい音をウォークマンで楽しめるのは本当に素晴らしいです。

 

まだ、パブリックドメインのサイトは数があまりありませんが、今後もっといっぱいに増えてくるといいなーと思ってしまいます。

 

楽しめるクラシック音楽映画1 オーケストラ!(ネタばれあり)

管理人は、結構クラシック音楽映画が好きだったりします。

 

クラシック音楽映画って、そもそもクラシック音楽好きな人間が少ない上に、その中で映画を見ようって言う人間を探すのはさらに大変そうで、結構ビジネスとしてはなり立たなそう。映画好きの中のクラシック音楽好きを探しても数は本当に限られそうです。

 

また、音楽だけでも芸術って話になると難しいのに、さらにそれに映像美の芸術まで重なると、難しいの二乗になってしまいますから、もー訳分からんという世界になってしまいそうです。

 

私が昔マーラー交響曲が特に好きだった時期があり、まさに”マーラー”っていう映画が公開され、普段行かないような、そういったマニアックな映画だけをかけている専門館に見に行ったんですが、これがまさに難しさの二乗を絵にかいたような作品でした。

というよりさらに、この”マーラー”に関しては、さらにドイツ現代芸術のセクシャル演出まで顔を出していて、難しさの三乗です。難解さの塊で参ってしまい本当に惨状なんですが、ある意味マーラーの音楽を体で表す優れた映画だったとも言えるかも。でもあの映画誰が見に行ったんだろうーって今でも思うことがあります。

 

これ以外にも、昔のクラシック音楽映画には、どちらかというと芸術視点のものが多かった気がします。

 

でも、ところがどっこい、最近はけっこう”くだけた”クラシック音楽映画の名作がいくつか出てきています。ストーリーがすごくご都合主義だったりもするんですが、音楽好きには楽しめる映画に出会えることも多いです。

 

さて、、、

 

今回取り上げた、オーケストラ!っていう映画は、最近クラシック映画にはまるきっかけになった映画のひとつですが、そうしたエンターテイメント性の高い楽しめるクラシック音楽映画でした。

 

映画は、ロシアのボリショイ劇場で清掃員として働くかつてのボリショイ交響楽団の天才指揮者が、偽のボリショイ交響楽団を作るところからはじまります。そして、かつて共産党に追放されて廃業した楽団仲間と共にパリで成功を目指すというベタなストーリー。

 

映画の最後の方で、ほとんど数十年演奏していない元プロの集まりのオケが、演奏が止まりそうな外し方のよれよれでチャイコンを弾き始めます。

 

そりゃそうでしょう、いかにプロでも何十年も楽器触ってなければそりゃ簡単に音はでんわな。指揮者ほとんどアル中だし、なんたってゲネプロなしで本番。それで舞台に載れるプロの方はさすがに我々アマチュアとはハートのレベルが違います。

 

でもそこから美人ソリストに引っ張られて一瞬で完璧さを取り戻して演奏していく様は、本当に見事。ウルトラセブン登場って感じです。いずれにせよめっちゃくちゃなハッピーストーリー。

 

また、その演奏がどえらくすごくて、チャイコフスキーのバイオリンコンチェルトをとっ外れた冒頭から立て直して行くっていうオケの芸達者さもさりながら、バイオリニストの演奏が、良く言えば情熱的、悪く言えば究極のクネクネ演奏です。

クネクネご存知ない方はのだめカンタービレ呼んでいただきたいですが、テンポが数割振れているんじゃないかっていうくらいの、過度なクネクネで、これをコンサートでやると批評家にバカ叩かれしそうです。

 でもパリのコンセルバトワールの先生が弾いている確かなクネクネ演奏は、映像とすごくマッチしています。不覚にも泣きそうになりました。お美しい女性の背筋が伸びたクネクネ演奏って本当に素敵。

 

ちなみに、このハチャメチャな作品はフランス映画でして現題はLe Concert。

 

コメディーと分類する人もいるこの映画は、正直前半のストーリーは結構グダグダですが、後半はさすがの一気呵成のみごとな寄せです。下にHPからの写真つけますが演奏会のシーンは多分パリのシャトレ座だと思いますが、古いパリの演奏会場の雰囲気を映し出した映像美も抜群です。

 

フランスのアカデミー賞といわれるで音楽賞を受賞し、横浜のフランス映画祭で観客賞もとっています。

 

よろしければ、一度ご覧あれ。

 

 

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すっごいクネクネな名演奏