音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

久しぶりにバイオリン始めました。ネットで買ったり、いじったり楽しくやっていきます。

オールドの弓、届きました

(前回から続く)

さて、待つこと数日弓が届きました。非常に丁寧な梱包でした。

バイオリンの弓を宅配便で送るなんてって思う方もいらっしゃると思いますが、水道管みたいな丈夫なダンボールのパイプの中に、プチプチで丁寧に包まれて来るとトラブルも少ないようです。

 

今回は、ちょうど出張に出かける前に届いたので、そのまま出張先まで持って行って、参号器とまず弾いてみることに。

 

この弓、実は買ったお値段が破格に安かったので、正直それほどの弓とは思ってなかったんで、まずはスペアの練習用と考えてたんです。

 

この事前の予想は、良い意味で大きく裏切られました。

 

まず、この弓ですが、ヘッドが変わった形です。バイオリンの弓の先っぽって斧のような形をしたものが多いです。これは弓のヘッドの部分は、トルテが斧の形をしたヘッドを考案してから、大多数がその形になっていったようです。

 

でもこの弓は、結構ななで肩で、今となって少数派の昔からあるスワン型に近い形です。スワン型は、また斧で言うところの付け根の部分の曲がりの角度が直角の斧型に対して、鳥のくちばしのように少し寝ています。またヘッドの内側のカーブが反り返っていないのも特徴です。

 

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上がスワン型っぽい今回の無銘弓、下は一般的な斧型のミランのヘッド

 

写真で比較してもミランと比べても結構違いますね。上の今回の弓のヘッドは、先が鳥のくちばしのような形が特徴的です。

 

スワン型の特徴を調べると、昔のバロック弓からの流れを組んでいるそうで、優しい音になりやすいとのことです。また、弓製作者の方も、普段は斧型を作っていても、たまに興味心からスワン型を作られることもあるようです。

 

それから、弓を貼る為にスクリューを回す時も違った感じでした。一言でいうとするするって回っていく感じ。回す力はほとんど必要なくボリュームを回すがごとくさしたる抵抗もなく弓が張られていきます。貼るたびに滑らかなんですが力がいる、テンションの高いミランを張るときの数分の一の感じです。

 

でも、じゃあ弾いて見て頼りないかと言うと、そんなことはなく、結構しっかり大きな音が出ます。この弓実は重量が軽くて55、6gしかありません。オールドでは軽い弓も結構あるようです。でも、しっかり弓がかかって音が出ている感じです。

 

また、音色がオールドと言う感じのする柔らかな音でした。私の持っている二本の弓は、ミランは甲高い大きな音、フランクヴァンサンは音は少し控えめながら弓自体がなるような響く音がする音、それぞれ特徴的な音質の出しますが、この弓は角のない綺麗な音を出します。

 

スピッカートとかで特に顕著で、ガシガシした角のある感じがしなくなりました。ある意味期待した通りの音です。弾きごことも当然すごく滑らか。

 

さて、この弓をどう使おうかと思案中ですが、参考までに知り合いの先生にミランと弾き比べていただいたところ、今の私はまずミランでしっかり音を出す練習をした方が良いのではと言うことになりました。しっかり弓を引っ掛けて、きっちり出すことをまず覚えた方が良いのだそうです。また、先生からは全くこの弓に関してはネガティブなコメントはなく、結構使える弓であることもわかりました。

 

と言うことで、当分この弓は、気分転換の時などに弾いて、オールドらしい香りを味わう感じで使っていこうかと思っています。非常にコンパクトですが、満足感の高いお買い物でした。

 

今回、この弓を買った過程でいくつか発見がありました。

 

まず、無銘の弓には本当に良いものもあるのだと言うことです。正直現段階でこの弓がいつ頃の弓なのか、またどこで作られたものなのかも分かりません。でも、この弓の所有感みたいなものは非常に高く、いつどこで作られたのか気になります。今後、ちょっと調べてみたいですね。もしかしたら、腕のある作家が若い時に、納めていた掘り出し物かもなんて、あらぬ期待も浮かびます。鑑定してもらって見たいな、、、イカイカン。

 

また、今回某ネットオークションで、古い弓や楽器を中心に出品されている方から買ったのですが、その方の目利きは優れているんだなと感じました。オクで、楽器を専門にやられている方が結構いらっしゃいまして、ネットでの評判が必ずしもよくない方もいらっしゃいます。表立ってトラブルにはなっていないようですが、あるサイトにいくと、あるコードネームの方は不愉快だったという掲示板などもみることができます。

 

しかし、今回買わせていただいた方は、落札後のメッセージのやり取りも落ち着いた感じで、丁寧に売買をやられている感じがしました。

 

オークションで安いと言っても、楽器はカメラなどと並び結構高いお値段で取引されるもの。売り手の方の過去の実績や、評判などもしっかり見ていった方が良いのだと感じました。

 

と言うことで、この弓は、出張先に置きっ放しの参号器ではなく、メインの弐号器のジャックマンの3本目の弓としてケースに収まることになりました。

 

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今や三本差し

 

そーなると、参号器の為の弓もう一本探さないとなあ、、、物欲がまた騒ぎます。