バイオリン練習とウォークマン2 イヤホン沼の思い出
物欲は、いつでもどこでも心の隙間から入り込んでくる。
恐ろしや、恐ろしや。
私の会社に、昔、自分の机の上にイヤホンを五本くらいぶら下げていた人間がいました。
なんか干物でも作っているんだろうか?てな感じで馬鹿にしていたんですが、気がつくと自分にその病気が移ってしまっているのが怖いところです。
私が最初にイヤホン沼に足を踏み込んだのは、確かテレビの番組で”1980円なのに神音がするイヤホン”っていうのを見てしまったところから始まります。
まー、これが目から鱗のような良い音で、一気にはまって行ってしました。
上の写真の青い太鼓みたいになっているところの設計がうまかったらしく結構低音出てましたし、イヤーピースもしてっかりしていて、耳の中でうまく音が出る方向を調整すると、低音のブーンっていう音がしっかり出ていたのは確かに驚きでした。コンビニで買うイヤホンとは2けた位違ういい音でした。
でも、いかにもプラスチックって感じのイヤホンで、毎日聞いていたら数ヶ月で太鼓のところが壊れてしまいました。瞬間接着剤でつけて使ってましたが。
でもそのうちどうしようもなく壊れるので、イヤホンで結構いい音することを学んでしまったんで、ちょっと高いものにも手を出そうって感じになりました。
そうなるとイヤホンについても色々調べるという何時もの悪い癖。
イヤホンは音を出す部分(ドライバー)の構造で、ダイナミックとバランスドアーマチュアという大きく2種類の物があります。
ダイナミックドライバーは、名前からわかる通りダイナミックな音を出すもので、私が最初にはまった1980円の神音もこのタイプのものでした。ドンスコドンスコっていう低音が小さなボデーからは信じられないくらいの大きさで出てきます。だいたい今のイヤホンのほとんどがこのタイプのものかと思います。でも、このタイプは繊細な音を出すのは少し苦手みたいです。
一方、バランスドアーマチュアは真逆の特徴。このBAとも呼ばれるドライバー、補聴器などによく使われているもので、微細な音まで正確に再現できます。補聴器って高いやつは1個100万円もするんですよね。
当然音の細かなニュアンスや表情などを伝えるのに適していますが、一発の大きな低音とかはダイナミックドライバーに比べて出しにくいですし、またドライバーの構造から音域が狭くなる傾向があります。
そのため、BAドライバーを複数組み合わせたものや、両方の物を組み合わせたハイブリッドのものあり、そうしたものは当然高くなっていきます。特にヨーロッパ系の高いイヤホンはBAを3、4個つけたものも多く、値段見ると目が飛び出ますね。
さて、、、、
クラシックの音を中心に聞いている私が今愛用しているイヤホンはというと、すでに生産中止にはなっているソニーのXBA-300というイヤホンです。数年前に買いました。
このイヤホンは、先ほどのBAタイプのドライバーが3つも入っているソニーの中では比較的高級イヤホンで、それにより音域の幅を広げようとしています。
音は、いたっておとなし目のフラットな音ですが、ハイレゾの音源を聴くと時にライブの演奏会で聞いているよりも細かな音が聞こえているんじゃないかと今でも驚くことがあります。
ハイレゾは40KHzの高音域まで出ることがすごいと言われますが、単純に周波数が高いところまで出るだけでなく細か音色の変化とかを正確に伝えらえるようことが本当のメリットのような気がします。(あくまで個人的な感想です)そもそもモスキートノイズなんてほとんど聞こえなくなっている年齢の私にはこう周波数なんてあんまり関係なさそう。
いい音源を聞くと、全ての楽器の音が、和声の中でもしっかり別々に聞きとれ照るんではないかと思ってしまうことがあります。
また、スケルトンのボデーの中に3つドライバーが入っているのを見えるがいたく所有欲をそそります。
でも、こいつ結構値段しました。ソニーは今もこう言った凝ったタイプのイヤホンを作っていますが、値段はさらに倍以上に跳ね上がってます。その意味でまだ手が届く3BAドライバーの本機は結構貴重な存在。
ワイヤレスヘッドホンが主流になってきているので、ウォークマンに有線の高いヘッドホンなんて完全に少数派です。
この生産終了品のイヤホン、スマホでは満足できない音が叩き出せるんですよね。
本当に手放せないですし、これからも大事に使っていきたいと思います。