音と風の生活(ネットで楽しむバイオリン)

久しぶりにバイオリン始めました。ネットで買ったり、いじったり楽しくやっていきます。

久しぶりのライブ サントリーホール ARKクラシックス

このところライブはずっとオンラインだったんですが、ほとんど一年ぶりくらいにコンサートに行ってまいりました。

 

サントリーホール ARKクラシックスという、三浦文彰さんと、辻井伸行さんがアーチスティックリーダーとして企画と演奏を引っ張るという素晴らしい演目でした。

 

昼の部はクロイツェルとハンマークラヴィアという、ベートーヴェン好きにはたまらない重量級なソナタ、夜はヴァイオリンコンチェルト3番とピアノコンチェルト21番というこれもモーツァルトのベストともいえる選曲で、私は、勢い余って昼、夜通しでサントリーホールで聴かせていただきました。

 

まー、本当にコンサートを堪能した一日となりました。

 

まず、三浦文彰さんは本当に達者な演奏だなーと感心しました。どんな難しいところもさらりと弾きこなししてしまう様は、まさにバイオリン王子で、そのスムースかつ華麗な弾きぶりは女性陣を虜にしますね。

 

午後のクロイツェルでは伴奏の江口玲さんとの息もぴったりで、難局を最後まで完璧に軽く弾ききってしまったのは本当に感嘆でした。

 

さらにすごかったのが夜の3番のコンチェルトの一楽章のカデンツァで、確かシェリングとかが録音に入れているサムフランコの難しい方のものを弾かれたと思うのですが、後半のアルペジオとか本当に流れるようで、残響音の良いサントリーホールで聴けてよかったです。

 

また、三浦さんは夜の部は前半弾き振り、後半は指揮と本当に八面六臂のご活躍でした。そして指揮をされていた時のフォアシュピーラーは三浦さんのお父様。まーすごいメンツです。

 

このオケ本当にうまい。管楽器の色彩感あふれる音色と、小編成ながら一糸乱れぬ大音量の弦セッションのコンビネーションは、海外一流オケに負けないですね。この日は3本入っていたコントラバスの一糸乱れぬ下からの突き上げ感が印象的でした。

 

一方、辻井伸行さんの演奏は本当にスケールの大きなもので、若くして鬼才の域に入られていると思いました。ハンマークラヴィアも21番もそうだったんですが、右手の高音の強くて角がしっかりしたタッチと、流れるような左手のスケール音階の組み合わせが際立っていて、その対比で音楽が引き立ちます。またハンマークラヴィアももう一曲本割で引かれたキラキラ星も冒頭から完全な全開、スピード違反な演奏。本当にすごかったです。

 

また、作曲家でもある辻井さんはカデンツァもオリジナルをやられていたみたいで、コンマス(確か山形交響楽団のソロ・コンサートマスターの高橋さん)が聞きながら笑っておられたのが印象的でした。もしかしたらアドリブ。

 

 

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素晴らしいライブでした

アンコールはトルコ行進曲だったんですが、世界記録に挑戦というすさまじい演奏で、破綻一歩手前のスピードで本当に峠道を全開で駆け降りるような目の覚める演奏でした。

 

正直このアンコールだけでもお金払っちゃいそうでした。

 

演奏が終わったあとのブラボーコールは自粛だったんですが、拍手が鳴りやまず本当に幸せな演奏会でした。

 

スタッフの方も大変だった思いますが、1000人規模のコンサートが開催できるようになったのは大きな前進だと思います。年内またいくつかのライブに行きたいですね。

 

この日の歴史的名演、もう少ししたらオンライン配信されると思うのですが、今から楽しみです。もしよかったら皆さんも追体験されることお勧めします。本当によかったです。

 

できたら夜の部だけでも円盤にしてもらえないかなー。絶対に買います。